最近は左官の仕事が少なくなりました。
私がこの業界に入った時、外壁は左官のモルタル塗りに塗装の吹付で、室内の和室や廊下は左官の塗り壁でした。
そして台所の壁と浴室やトイレの床や壁はタイル貼りと新築の家では左官の仕事が多かったのです。
その当時はまだ土壁という工法も残っていました。
小舞を組み、土とわらなど練ったものを塗って壁を作るのです。1年位そのまま乾燥させ1年後にしっくいやジュラクなどを塗って仕上げるのです。
この様に昔は、左官と右官(大工)と言われる位、地位も高い職業でした。
それが今では、外壁はサイディングに室内はクロスと変わり左官の仕事と言えば、基礎の巾木のモルタル塗りと玄関床のタイル貼り位しかありません。
だから新築の左官の仕事が減って、若い人達のなり手が少なく職人不足になっています。
しかしまだまだ家づくりでは左官の仕事は、外構工事などでたくさんあるので、職人の奪い合いになっています。
昔は手に職をつけると一生食べていけると言われていましたが、今左官や大工は、若い人達に手に職を付けるほどの魅力のある職業ではないのかもしれませんね。
平家研究家 桧垣 幸夫