私は45年前にこの業界に入りました。
入社したての頃、会社の先輩と土地を見に行きました。土地を見て先輩は「この土地は50坪位あるね」と言われ、私の頭の中は「50坪???」の状態になりました。
というのも学校ではメートル法で教えられてきたから、何坪と言われてもピンとこなかったのです。
私が45年前に感じたことが、今から家づくりをしようと考えている人も同じ感覚になると思います。
この業界は、一気に昭和、大正、明治、江戸時代と逆戻りする感じです。
いまだに建設業界は、坪、寸、尺、間などの言葉が標準語です。
だから今は、平米、メートルだろうと思っても、何坪とか何寸とかを普通に使います。
家づくりを考え始めた人もその内、何坪の土地が欲しいとか、何坪位の家にしたいとかになってくるのです。
この様に建設業界は昔のままで、他の業界違って全く進んでいないのです。
大手住宅メーカーの中には工場で生産されるところもありますが、建築戸数の多い木造住宅は建築現場で一から造っていきます。
木造住宅業界で変わったことは、プレカットと言って材木を大工さんの手刻みから工場で切断・加工に変わったくらいです。
後は現場で職人さんたちが、手作業で造っていくのです。
そんな中で木造住宅も工場生産で行う所が出てきました。
工場でサッシや断熱材を取り付けた壁をパネル化にし、現場に持ち込むという方法です。
しかしパネル化すると大きな物になり、運ぶために道路状況では建築できない所も出てきます。
この様に建築業界では、工場生産にするにはいろんな課題があり進まないのが現実です。
今後ドローンなどで運搬することが出来るようになると、変わるかもしれません。
平家研究家 桧垣 幸夫