今平屋がブームになっています。
確かに新築中の現場を見ると、平屋がたくさん建っています。
これはこの地域だけと思っていたら、全国的に平屋が建っているのです。
なぜこのように平屋が建ち始めたのでしょうか？
やはり住みやすいからなのでしょう。階段を上り下りする不便を考えると、平らなところを行き来する方が住みやすいので、当たり前な訳です。
昔は、新築イコール二階建てという事になっていたのを、私のようなものが”平家・平家”といい始めて「新築で平屋もありか！」になったのではと思います。
しかし私が平家をすすめるのは、小さな家になるようにするためです。
今までは家を建てようと考える人は、家の大きさを３０坪位は必要と思っていました。
昔は、１階にＬＤＫと客間用の和室に浴室・洗面・トイレの水回りで、２階に子ども部屋２部屋と主寝室の４ＬＤＫが一般的な間取りでした。
予算的には１８００万円以上になります。土地と併せると３０００万円近くになります。
私は若い人にも無理なく建てられる家にしたいと、アパートの家賃とあまり変わらない住宅ローンの支払いに出来ればと考えました。そして３ＬＤＫの総２階にして予算を抑える方法にトライしたのです。
しかし予算は抑えることが出来ましたが、外観が余りにも見劣りする家になるのです。
そして居室はすべて２階なので、しょっちゅう階段を上り下りしなければならい家になります。
いろいろ考える内に、平屋にすれば階段や廊下が無くなり小さな家に出来るという考えに至りました。
そして２２～２３坪の平家の間取りを作り、外観もおしゃれな片流れの家にしたのです。すると意外と平屋を建てたい人がいたのです。
当時は母子家庭の人や、夫婦二人だけの人とかで限定していましたが、その内普通の４人家族の方にも平家を建てていただけるようになりました。
当初大手住宅メーカーは、平屋を建てたい方がいると、「平家工房みともさんに相談に行かれたら」と断っていたようです。
それはどうしても家が小さくなり、金額が少なくなるからです。売り上げを追及される営業体質ですから金額の高くなる、大きな二階建てに力を入れていたのです。
しかし今どうですか、このブームで大手住宅メーカーも平屋に力を入れざるを得なくなったのです。
早くこのブームが去り、我々みたいに平家を知りつくした専門のところで平家を建てる頃に戻ってほしいものです。
平家研究家 桧垣 幸夫
