なぜ、平家なの?

なぜ、「平家」なの?

平家工房では、2階建てではなく、平屋のみにこだわり、1階建ての平屋のみをご提案させてい ただいております。それは、こんな思い入れがあるのです。

ある日

 

「もしもし桧垣さん、家、売っぱらってくれない」

 

今から4年前、突然一本の電話がかかってきました。

 

「女房と別れたよ、だから必要なくなったんだ。それと、この近辺で初めてという個人民事再生法とやら云う法律の手続き中なんだ」

 

と10年前に家をお世話したお客様からの相談でした。

 

この家族の家造りは、やはり奥さんが積極的で、プランも自分で考えたりしてとんとん拍子で進んだ家造りでした。

 

しかし、住宅ローンの借入の承認も下りてそろそろ着工するという時、奥さんが突然「やめる」と言い出したので す。

 

私は慌てました。

 

会社からは毎月毎月売上げを追及されているわけですから、解約となると1棟マイナスになるのです。

 

表向きの理由は、ご主人の仕事が不安定で、先行き不安だからという内容でしたので、私は「住宅金融公庫も貸すといっているのだから大丈夫ですよ」 といってそのときは何とか奥さんを説得したのでした。

 

後で分かったのですが、以前からご主人はパチンコ好きで、その遊ぶお金がないときに、奥さんに内緒でサラ金からお金を借りる癖が付いていたので す。

 

やはり夫婦ですね。奥さんは薄々感づいていたので、やめると言い出したのだと思います。

 

この時私が、自分や会社のことばかり考える営業マンでなく、本当にお客様の事を考え、ご主人とも話をして今後どうするのかを話し合っていれば、そ の後奥さんや子供とも別れ、家族がバラバラにならなくて済んだのかもしれません。

 

その後会社の景気は段々悪くなり、給与も以前よりかなり少なくなったのにもかかわらず、ご主人の遊び癖は直らず、サラ金の借金は増える一方で最後 は、400万円にも膨らんでいたそうです。

 

結局どうにもならなくなって、民事再生法の手続きをし、家を手放すことになったのです。

 

次の話は、買い替えで小さな家から二世帯住宅の大きな家に住み替えされたお客さんの話です。

 

最初中古住宅をお世話したご縁で、子供も働き出したし何れ結婚するだろうからと、二世帯住宅の大きな家を建てていただきました。

 

しかし、入居後5~6年経ったとき、突然子供が転職し、広島の方で働くということになり、家を出てしまったそうです。

 

そこで困ったのが、住宅ローンの支払いです。子供と二人で払う計画になっていたので、1人の働きでは支払えなくなります。それで相談に来られまし た。

 

この方は結局、住宅金融公庫と相談して、返済期間を延長し、月々の支払を少なくすることで、何とか今は乗り切っていらっしゃいます。

 

最近も、10年前建てていただいたお客様の家を売却するお手伝いをしました。

 

この方は完全に不況型の売却ですが、その当時はお客様の希望条件を入れすぎ少し無理して住宅ローンを組んだ記憶があります。

 

やはり、奥さんと離婚されています。

 

共働きでローンを一緒に払っていらっしゃいましたが、ご主人の転職等もあり当初の収入よりかなり少なくなっていらっしゃいました。

 

子供がみんな成人し働き出したということで奥さんは、離婚するといって家を出て行かれたそうです。それまで奥さんはかなり無理して働いていらっ しゃったのではないかと思います。

 

当然ご主人ひとりでは住宅ローンの支払いは困難になり、売却するに至ったのです。

 

何と今まで私は、お客様の事を余り考えずに、とにかく買ってもらえればいいと無理なローンを組み、家造りを薦めていたのかとつくづく反省させられ る出来事ばかりです。

 

とにかく住宅ローンは、他のローンと比べ返済期間が長く、人が働ける期間以上に一生縛り付けるものです。決して安易な借入は薦めてはいけません し、借り入れを出来るだけ少なくするようにアドバイスしなければなりません。

 

このような無理する家造りが「平家」を扱うようになったひとつ目の理由です。

 

そして私が平家を扱うようになったもうひとつのきっかけをお話します。

 

今から5年前、以前在籍していた会社で、住宅の売れ行きが段々悪くなってきたとき、徳山(現周南市)から山口に転勤することになりました。

 

そこにはいち早く売却しなければ、その会社にとっては致命的なことになる超大型不良物件のある拠点です。

 

たぶん会社の思惑は、市場的に恵まれている徳山は他のものに任せ、桧垣にダメもとで不良物件の処分をやらせてみようという考えだったと思います。

 

当然、私が販売にあたっても売れません。

 

そこは、すでに販売を始めて5年経っている団地です。大型団地なので当初からテレビやラジオ、新聞にチラシと大量に広告をつぎ込み、セキ○○ハウ スなどの大手住宅メーカー数社と共同で販売したにも関わらず殆ど売れなかった物件です。そこに、ダメもと社員が行っても売れるわけがありません。

 

急な坂はあるし、販売価格は相場を無視したような高い価格設定になっていて、おまけにスーパーや学校はかなり遠くにあって、車がなければ大変不便 な場所なのです。

 

買っていただけるお客様は、この地区に縁のある方で、少々高くても不便でもその地域から余り離れられない方に買っていただいた団地です。

 

大型団地でそのような方たちだけを対象に販売していたのでは、何十年経っても完売しません。

 

そこで、お客様を広い範囲で集めてくるため販売戦略を練り、まずお客様を、アパートに住んでいる方で、小さな家でもいいから家賃と変わらない支払 なら買いたい方に絞り込みました。

 

そして価格を下げるために建物は、コンパクトな建物にしました。

 

最初は、コストも下げられる総二階の小さな家に挑戦しました。

 

しかし総二階の小さな建物はどうしても見劣りします。

 

そこは長年の経験で、外観にアクセントをつけたりして見栄えのいい建物にしたので、数件お客様に建てていただきました。しかしどうしても一階の間 取はリビングと水周りだけで、後の居室は全て二階の使いにくい家になっていました。

 

私自身も納得のいく家ではありません。

 

ただ売るための家としか思えませんでした。

 

そしてあれこれ考えているうちに、平家にすれば住みやすそうだし、使いやすいし、何より小さ な家になると、そんな考え浮かんできたのです。

 

間取や外観に工夫を加えているうちにある程度納得いくプランが出来上がりました。そして広告を打つと、何と直ぐ建てたいというお客様が現れたので す。

 

当然支払は、家賃以下で、間取は賃貸住宅より比べ物にならないくらい広い建物になりました。

 

これなら、無理することなく家を建てられ、しかも趣味や他のことにもゆとりを持った生活を送ることができます。これで自信を持って家造りをお勧め することが出来、団地の販売も少しずつ進んでいくようになりました。

 

こんなことがあって、皆さんに平家をお勧めしているのです。

 

私は10年前に家を建てました。

 

我が家は、子供が3人で5人家族です。でも住まいは4LDKで子供部屋は2つしか作りませんでした。でも子供部屋が2つしかなかったけど、それな りに子供達は育ってゆきました。子供部屋は、子供の数だけ必要ではないと思っています。

 

ただ建てるときに、私の頭の中のどこを探しても平家という二文字が全くありませんでした。それまで2階建の家 しか建てていなかったので、それで「家=2階建」と頭の中にインプットされていたのです。

 

でも年取ってみて、毎日階段の昇り降りには気を使うわ、くたびれるわで平家にすればよかったと悔やんでいるこの頃です。

 

これからも、小さくても住みやすい家「平家」を建てていこうと思います。

平家研究家 桧垣 幸夫