我々の業界では、昔ながらの慣習があります。
工事を始める前に地鎮祭を行います。
地鎮祭は神社の神主を現地に呼んで行う場合と、建築場所の土地を神社に持って行きお祓いをして貰う二通りのやり方があります。
現地で行う場合は、お供え物の費用や神主に支払う玉串料などが神社で行うより余分お金がに掛かります。
同じお払いしてもらうのであれば、費用が掛からない神社に行って行う事を勧めています。
工事が始まって基礎工事が終わると、次は棟上げとなります。1日で柱などを建てて骨組みができ、家の形が出来上がるのです。

昔はこの棟上げの日に、上棟式や餅巻きなどをしていました。
大昔には、棟上げは近所の人や家づくりにかかわる人が来てみんなで手伝って棟上げをしていました。
そして棟上げが終わると、手伝ってくれた人たちを集めて祝賀会を行っていました。
この様に昔は棟上げが地域のお祭りの様な感じで行っていたのです。というのも、その当時新しく家が建つという事が非常に珍しく、代々の家に何世代も住み続けるというのが普通だったのです。
それが今では、親の近くに家を建てて住んでも、親と同居する人はほとんどいません。
だからあちらこちらに家が建ちます。
そして昔ながらの上棟式も今はしていない所が多いのではと思います。
費用のかかる事だから私もお客様には勧めていませんし、その費用を建築費に回した方がいいのではとアドバイスしています。
平家研究家 桧垣 幸夫