私が平屋を専門とする”平家工房”にたどりついた理由は、小さな家にすれば予算が抑えられるからです。
でも、小さい家でも部屋は狭くしたくない。そこでどうすればいいのか考えた結果が、廊下を無くすことだったのです。
廊下を作っても部屋を作っても同じだけ建築費はかかります。
それなら、リビングを中心にして各部屋に行けるようにすれば廊下はいらなくなります。
しかし二階建ての家は、どうしても階段を造らなければなりません。そして階段から廊下を通って各部屋に行かなければなりません。するとどうしても、階段と廊下で6帖一部屋分の広さが必要となります。
平屋にすれば、6帖分の廊下が要らなくなります。
昔、階段を少なくする方法として、リビングから廊下を通らずに二階に上がれるリビング階段が流行りました。昔の家は気密性が低かったので、冬はいくらリビングでエアコンをつけても暖かくならず、寝るころ二階に上がれば反対に暖かくなりすぎという事が起こっていました。
とにかく二階建ては、廊下というスペースが必要なのです。
昔の平屋も、中廊下と広縁と言う廊下の多い家でした。だから広い家になっていたのです。
それを、リビングから各部屋に行くようにすれば、廊下はいらなくなります。
そして、親のいるリビングを通らないと部屋に行けないので、子どもとのコミュニケーションもよくなります。
廊下を作らないことで、住みやすく予算を抑えた家づくりが出来ることになります。
平家研究家 桧垣 幸夫