こんにちは。
山口県で平屋を専門に設計施工している、平家工房みともです。

最近は、地鎮祭や上棟式などの家づくりにまつわる儀式を簡略化される方が増えています。
地鎮祭においても「略式」で行う方法が増えており、
お客さまからも「どんな風にするの?」「本式とどう違うの?」というご質問をいただく機会が多いです。
そこで今回は、略式による地鎮祭についてご紹介したいと思います。
■「地鎮祭」とは? 何のためにする行事?
地鎮祭は、着工前に行われる神事で、土地の神様に工事の安全を祈願する儀式です。
日本には「八百万(やおろず)の神」という言葉があり、
太古の時代から、「自然界のあらゆるものに神が宿る」と考えられてきました。
地鎮祭では、これから家を建てる土地に宿っている神様(氏神様)に祈りを捧げ、
土地を使うことに対する許可を得るという意味があります。
また土地を使用する許可を得ることによって、工事の安全を願う気持ちを込めます。
地鎮祭は必ずしも行う必要はありません。
行うかどうかは、オーナーさまが決めることができます。
■略式地鎮祭とは?本式との違い
神主さんが現地で御祈祷をする本式に対し、
略式は敷地の土を神社に持ち込み、神主さんに御祈祷をしていただきます。

※イメージ
■略式地鎮祭の手順
<Step1>建築予定地に近い神社・八幡に予約を入れる。
まずは、土地を管轄する地域に近い神社・八幡(できれば氏神様)に、略式地鎮祭を行っているか確認し、予約を入れます。
神社によって必要な物が異なるため、予約の際に当日持参する物と玉串料についても確認をしておきましょう。
<Step2>建築予定地の土、お酒、塩、お米を用意する。
持参する物で忘れてはいけないのが、敷地の「土」です!
土は、敷地の四隅と真ん中の5か所を、ひとすくいずつ袋に入れます。
場所ごとに仕分けするのか、まとめて一つの袋に入れるのかは、
神社によって異なるため、予約時に確認してみてください。
また、土を取った場所は、お祓い後に土を戻す時に分かりやすいよう、印を付けておくとよいです。
お酒は、おめでたい名前の日本酒ということで「松竹梅」がスタンダード。
「奉献」と書かれた熨斗(のし)を付けてもらいましょう。
塩は粗塩、お米は水で洗ったお米を用意します。
<Step3>玉串料を準備
金額は神社によって異なるので、確認を。
<Step4>地鎮祭
準備した品物を持って、家族で神社を訪れ、神主さんに御祈祷していただきます。
忘れ物がないように注意してください。
<Step5>建設予定地で土を元の場所に戻す
御祈祷を終えたらそのまま建設予定地へ向かい、お祓いしてもらった土を元の場所に戻します。
東の角からまわり、最後に真ん中へ。
さらに、お米→塩→お酒の順番に大地に捧げてください。
<Step6>お札を弊社までお持ちください。
御祈祷後にいただいた「お札」や「鎮め物(しずめもの)」は、施工会社へお渡しください。

略式とはいえ、工事の安全と家族の繁栄を祈願する儀式です。
大切なのはオーナーさまのお気持ちです。
形式にとらわれすぎず、自分たちらしい方法で家づくりの始まりを迎えてみてはいかがでしょうか。